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活動報告

2024年第2回定例会 本会議・一般質問 2024/6/13

2024年第2回定例会にあたり、日本共産党議員団を代表して、一般質問を行います。

1. 区長の政治姿勢について
(1) 暮らし・生業の困難に寄り添うことについて
初めに、暮らし・生業の困難に寄り添うことについてお尋ねいたします。物価高騰が区民の暮らし、自営業の方々を直撃しています。最新の統計で実質賃金は過去最長の25カ月連続で前年度比減少、東京23区の5月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数で106.7となり、2023年5月と比べて1.9%上昇しました。
そうした中、2023年度の生活援護課で対応した相談件数は前年度比で500件以上増加、生活保護の開始件数も新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年度に次ぐ件数となっています。第1回定例会でも指摘しましたが、経済格差が広がり、区民の暮らしの困難が増大しています。第1回定例会において、区長は「経済的な不安や困窮を抱える方が増えつつあると認識しておりまして、今後も状況の把握に努め、必要な対策を講じていかなければならないと考えている」と述べていました。また、「区独自の対象者の拡充や、その他の対策については、物価の状況等を鑑みて検討してまいります」とも答弁されました。
Q1.改めて、区民の暮らしの困難さについてどのように認識しているでしょうか。何らかの対応策を打つべきではないでしょうか。お答えください。
A.

 

消費者物価数の中でも電気代の伸びは顕著です。先ほど紹介した東京23区の5月の消費者物価指数においても、電気代は前年同月に比べて13.1%増加しています。しかも電気代は今後、政府の補助政策の終了もあり、大幅に値上げの見込みとなっています。
Q2.中小企業の経営難を支える支援策が必要ではないでしょうか。
A.

 

わが会派はこの間、熱中症対策の一環としてエアコン購入費助成制度の実施を求めてきました。熱中症の4割以上は室内で発生しているとの報道もあります。室内で熱中症になった方のお部屋にはエアコンがなかったという事例も少なくありません。エアコン購入費助成を行う自治体は増加しています。今年度は足立区や江戸川区でも実施。練馬区は昨年度に引き続き、今年度も助成額を引き上げて制度を実施します。
Q3.区民の命を守るためにエアコン購入費助成制度を実施すべきではないでしょうか。
A.

 

今年度から第9期介護保険事業計画が始まりました。介護報酬も改定となりましたが、その際に大きな懸念として示されたのが訪問介護の報酬単価の引き下げです。厚労省は「処遇改善加算があるため事業全体の報酬は変わらない」としていますが、この加算をつけて報酬が引きあがる事業者が一部にとどまることは厚労省も認めています。
Q4.訪問介護の基本単価の引き下げについて介護事業者の経営困難を増加させるとの認識を持っているでしょうか。
A.

 

第1回定例会の予算特別委員会総括質疑において、広川区議がこの問題で質疑を行っています。その際に、「区内の介護サービス事業者からはケアマネジャーやホームヘルパーが不足している状況であると聞いている」と答弁されていましたが、現状でも不足しているところに今回の報酬改定は不足を助長するのではないでしょうか。
Q5.介護事業者の実態把握は行っているのでしょうか。お答えください。
A.

 

介護事業者への事業支援として区は3度にわたる物価高騰対策支援を行ってきたと述べています。こうした支援は評価するものです。しかし、不足しているケアマネジャーやヘルパーなど介護従事者を確保するためには、さらなる支援策の充実が必要ではないでしょうか。
Q6.主任ケアマネジャーの人材確保や賃上げにつながる支援など、介護人材確保のための介護事業所への支援を打ち出してはいかがでしょうか。
A.

 

(2) 地方自治法の改定について
現在、参議院では地方自治法の改定案が審議されています。今回の改定案により、政府は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば国が地方自治体に「指示」を行えるようにします。総務省は地方自治体への「指示」について「大規模災害、感染症の蔓延その他の時に適切な要件、手続きの下、国民の生命などの保護を的確、迅速に実施するため講ずべき措置」がある際と言って、指示権の範囲は限定されているかのように説明していますが、「その他の事態」については「具体例という形では示していない」「特定の事態を限定したり排除したりしていない」として、「指示」を発動する具体的要件について説明できずにいます。そのため、法的には際限なく国の「指示権」の範囲が広がっていくことになります。
これまで地方自治体に対しては、地方自治法第245条に基づく「技術的助言」というものがありました。
Q7.今回の「指示権」にはどのような違いがあるか見解を伺います。
A.

 

これまで、自民・公明政権によって、日本国憲法に反する数々の悪法が成立させられてきましたが、今回の地方自治法改定案は、国と地方自治体の関係を根底から覆すものです。3月13日に日本弁護士連合会は、今回の地方自治法改正は「地方分権の趣旨や憲法の地方自治の本旨に照らし極めて問題」があり、法改正に反対する旨の会長声明を発表しています。その中では、今回の法改正は国と地方自治体は対等平等であるという理念の下で、規定された自治事務の趣旨を捨て去るものであり、憲法に定められた地方自治の本旨に照らして極めて問題があることを指摘しています。
Q8. 国による地方自治体に対する広範な「指示権」を認めた今回の改定は憲法に定められた「地方自治の本旨」を侵害するものと考えますが見解を伺います。
A.

 

今回の地方自治法の改定案について様々な首長から反対・懸念の声が上がっています。世田谷区の保坂区長は「指示待ち自治体を作り出してしまう。命を守る対策としては脆弱になる恐れがある」と懸念し、廃案を求めています。杉並区の岸本区長は「災害や感染症のまん延時に重要なことは、自治体同士が連携し、住民の命と財産を守るために主体的に取り組むこと。いきなり国が自治体に直接指示を出すやり方は解決策にはならないし、分権と地域主権を深く傷つける恐れがある」と述べています。
Q9.酒井区長も今回の地方自治法改定について反対の声を上げるべきではないでしょうか。
A.

 

伺ってこの項の質問を終えます。

 

2. よりよい新庁舎のあり方について
区役所が新庁舎に移って、約1カ月が経ちました。設備などの問題からこれまで解決できなかったことが様々解決できた一方、新たに生まれた問題もあると聞いています。区民の皆さんからも様々な要求が上がっているとも聞いています。
Q1.現在、区民や各部署から新庁舎に関してどのような意見が上がってきているでしょうか。
A.

 

意見の中には運用上で改善を図るべきものもあれば、調整が必要なものもあるかと思います。実際に新庁舎で業務を始めてみると、当初の想定通りに運用すると、業務がやりづらいということも出ているのではないかと思います。
Q2.こうしたとき、現場の声を聞きながら、必要な改善については進めていくべきかと考えますが、いかがでしょうか。
A

 

私も新庁舎を一度めぐってみましたが、2階では繁忙期を少し過ぎた時期にもかかわらず、多くの区民が順番を待っていました。そしてその様子を見て、3,4月の繁忙期には、人があふれかえってしまうのではないかと心配をしています。
Q3.混雑状況に合わせて待合スペースの柔軟な配置や、1階のスペースにも呼び出し状況のモニターを置くなど、混雑を緩和するための工夫を検討してはいかがでしょうか。
A.

 

新庁舎になり、以前よりも職員が奥に入ってしまって、旧庁舎のように、窓口前でお困りの区民がいらっしゃる際に気づくことが構造的に難しくなったのではないかと感じます。また、すべてが発券機対応となったことによって、区民と接する機会も減少してしまっているのではないでしょうか。「具合が悪そう」「困っていそう」「迷っていそう」など、用事というほどでなくとも執務スペースから見たとき、そこから見える区民の様子に違和感を覚える、そうした職員が区民のちょっとしたお困りごとなどに気づく能力が低下してしまうのではないかと懸念しています。
Q4.区はこうした能力の向上のためにどのようなことを考えているのでしょうか。
A.

 

3. 保育施策について
誰もが安心して子どもを産み育てられる社会にするためにも、子どもをきちんと預けられる体制を整えることは各自治体の責務です。中野区では2022年度に4月1日時点の待機児童数がゼロとなり、この体制の第一歩を踏み出しました。こうした状態が維持できるよう、区は保育需要を見極め、適切に供給がなされるよう様々な対策を取ることを求めます。
Q1.まず認可保育園における4月1日時点での各年齢の定員空き人数について伺います。
A.

 

待機児童ゼロが達成できているということは、表裏の関係として、各保育園には定員の空きがあるということでもあります。そうでなければ、子どもをいつでも預けられる状態は作れません。しかし、そのことが保育園の経営を圧迫しています。区は毎年度3月になるころには単価が高い0歳児・1歳児について、定員がほぼ埋まっていると述べています。しかし、そうした中でも園によっては年間数百万円の減収になっていることを紹介してきました。すでに23区の大半の区で定員空きに対する減収補填を行っていることも紹介してきました。事業者の方からも強い求めがあります。
Q2.減収補填制度について実施すべきではないでしょうか。
A.

 

保育園の中には今後、老朽化した園舎の建て替えが必要になってくるところも出てきます。そうしたとき、課題となるのが建て替え中の仮園舎や代替地の確保です。中野区ではかつて区立保育園の民営化の際に、園舎を建て替えるために仮設園舎を使う私立事業者の使用料を一定減額していたと聞いています。これからの建て替えは事情は異なりますが、中野区の保育を支えていることには違いはありません。
Q3.代替地確保など、私立保育園の園舎建て替えのための支援策を検討すべきではないでしょうか。
A.

 

先日、子ども子育て支援法が成立し、「こども誰でも通園制度」が2026年度から全国で実施されることになりました。この制度は文字通り、保育要件と関係なく、誰でも利用できることが大きな目玉となっています。しかし、保育関係者などからは制度の実施について懸念の声が次々と上がっています。
「こども誰でも通園制度」では「保育士は2分の1でよい」とされました。また「直前の予約も可能」とされるとともに、実施場所も保育園などのほかに「駅周辺など利便性の高い場所」とされ、企業の参入が狙われています。保育所における死亡事故の発生は0~2歳児、預け始めの時期が最も多いにも関わらず、緩い基準での認可が可能となり、子どもの安全が保てるのか強く危惧される中身となっています。アレルギーや発達状況など必要な情報が把握されず命にかかわる事故が起きかねません。子どもが短時間、日替わりで来るとなれば現場の負担はさらに増えます。子どもが新しい環境や人に慣れるための「ならし保育」の時間すらとれません。慣れない環境に置かれる子どものストレスも心配です。
Q4.このように政府が実施しようとしている「こども誰でも通園制度」には多くの懸念がありますが、区の見解を伺います。
A.

 

「こども誰でも通園」というのであれば、親がどれだけ働いているかなどで対象をしぼる「保育の必要性」の要件を見直して、希望する全ての子どもたちに、質の確保された保育を保障できるようにすべきです。

 

 

4. 西武新宿線野方以西連続立体交差事業について
区は今年度予算として、地域との意見交換を行いながら各駅周辺のまちづくり及び基盤施設計画の検討を進めるとして、6,271万円を計上しています。第1回定例会において、「各駅周辺地区のまちづくり検討会などと意見交換を行い、駅前広場の大きさや位置などを含めた駅周辺の基盤施設などの具体的な方向性を示せるよう検討を進めていく」と述べていました。
Q1.現段階での進捗状況と今後の見通しについてお答えください。
A.

 

5/23に「西武新宿線(野方駅から井荻駅付近)連続立体交差の複線シールド工法検討に関する陳情」が、都議会環境・建設委員会において、全会一致で主旨採択すべきものとされました。同陳情では、東京都が2016年に比較検討した施工形式3案に加え、複線シールド工法による地下化案も示すことを求めています。この陳情が主旨採択すべきものとされた意味はとても大きなものがあると考えます。中野区は現在、東京都と野方1号踏切除却に関わって協議を行っていると聞いていますが、野方駅を高架にするのではなく地下にするなど、踏切除却の方策にも関わってくるのではないでしょうか。
Q2.陳情の都議会での主旨採択を踏まえ、区として今後東京都とどのような協議を進めていく考えなのか。お答えください。
A.

 

中野区は今年度、まちづくり整備方針を改定するとしています。それに向け、現在、野方・都立家政・鷺ノ宮の各駅周辺まちづくり検討会で住民とともに、まちづくりのあり方を検討しています。
住民の意見が反映されることはまちづくりの必要条件です。しかし、中野区の姿勢には自らの考えに住民を従わせる狙いがあるのではないでしょうか。先日、都立家政駅周辺まちづくり検討会において、中野区が「鉄道が地下化と高架化によってまちづくりの考え方は大きく変わらない」と述べたと聞いています。しかし西武新宿線が地下化するのか高架化するのかで、当然のことながらまちの姿は大きく変わり、解決できる街の課題にも違いがでるはずです。
Q3.区がそうした見解を述べたのは、中野区が示している「高架化が優位」という結論を誘導するためなのではないでしょうか。見解を求めます。
A.

 

酒井区長が述べている「政策決定過程からの区民参加」を本当に実現するためにも、区は区民の意見に真摯に向き合ってもらいたいと思います。この点を指摘し、この項の質問を終えます。

 

5. 気候危機対策について
気候危機は年々深刻さを増しています。昨年から世界の気温は毎月過去最高を記録し続けており、今後5年以内に気温上昇が産業革命以降1.5度を一時的にも超える確率がかなり高いとされています。昨年も猛暑でしたが、今後はこの猛暑が「異常」ではなく「通常」になります。目標の達成に残された猶予はほとんどありません。日本における気候危機対策の一日も早い根本的な変革が求められています。
中野区では、環境基本計画を達成するために、目標達成に向けた区の取り組み内容や削減効果の見込みを示すために脱炭素ロードマップを作成する方針を示し、第1回定例会に案を示しました。脱炭素ロードマップの作成方針自体は歓迎するものですが、第1回定例会で示された案とそれに対する区民委員会での議論では、ロードマップであるにも関わらず、取り組みによる二酸化炭素削減量を年次に落とし込んでいないことが多くの委員から指摘されたと聞いています。また、年次への落とし込みを次期環境基本計画に入れるつもりであると聞いていますが、気候危機の事態の深刻さに対して、取り組みが遅すぎるのではないでしょうか。
Q1.策定する脱炭素ロードマップの二酸化炭素排出量の削減について年次落としが必要ではないでしょうか、お答えください。
A.

 

施策の年次への落とし込みとともに、この取り組みを環境部がしっかりと進めていく進行管理に責任を持つことが必要です。

Q2.二酸化炭素の排出削減の取り組みについて進行管理をどのように行っていくつもりでしょうか。
A.

 

今年度から、省エネ設備設置助成の対象機器拡充がなされました。省エネや再エネの導入は二酸化炭素排出削減策として極めて重要です。省エネ・再エネの導入を進めるための施策をさらに進めることが必要です。特に中野区においては民生家庭部門・民生業務部門で区内の二酸化炭素排出量の約8割を占めており、ここに焦点を当てた施策が求められます。
Q3.区としてどのような施策展開を行おうと考えているでしょうか。お答えください。
A.

 

6. 学校再編の検証について
鷺宮小学校と西中野小学校が鷺の杜小学校となり、中野区の学校再編は全て終わりました。わが会派は、学校再編はこれまでの再編の結果を検証してから検討すべきと求めてきましたが、区は「再編計画終了後に検証する」と述べてきました。第1回定例会の際、区は浦野区議の質問に対して、「児童生徒や学校職員等の声も聞きながら検証を行う予定」と述べていました。先日の教育委員会において、学校再編の検証についての議論の際、教育委員の方々からは「統合前後の子どもたちの声を聞かなければならない」と言っていました。しかし区は統合前に子どもたちの声を聞いてはいなかったようです。これで学校再編による子どもたちへの影響を把握できるのでしょうか。
Q1.区は統合における子どもたちへの影響についてどのように把握するつもりなのでしょうか。お答えください。
A.

 

「中野区立小中学校の再編の検証について」の教育委員会の報告資料を見ると、検証事項について疑問があります。わが会派はこの間、学校再編によって一人当たりの校庭の面積基準を割り込んでしまうことや、再編の前提となる人口推計と実際の人口が乖離したまま再編を進めてきたことのおかしさを指摘してきました。しかし、調査項目として区が挙げているものを見てみると、「校舎の改修・改築状況」、「統合後の校舎の配置状況」などで、「教育環境の確保・向上を図るための大規模改修工事又は改築(建て替え)工事が実施されたか」を検証するとしています。これでは、「統合して校舎も新しくなり統合してよかった」という結論だけしか導かれないのではないでしょうか。これでは統合によるデメリットや悪影響がきちんと評価できないかと懸念しています。
Q2.この間の人口推計との乖離や一人当たり校庭面積といった設備基準など客観的な基準も調査項目に入れるべきではないでしょうか。お答えください。
A.

 

検証結果を踏まえた今後の取り組みの方向性について、区は「検証結果から明らかになった課題を踏まえ、学校規模や教育環境の維持改善に必要な取組を検討し実施していく」としていますが、何に生かすつもりなのかが見えてきません。これまでの学校再編によって例えば谷戸小では校庭が半分になり、授業に大きな支障が出ています。小P連の要望書の中には小中学校の新設や閉校した小学校の復活に触れられたものもあり、良好な教育環境を求める区民の声は大きくあります。
Q3.こうした学校の現状を今回の検証結果に含めて改善することが必要ではないでしょうか。お答えください。
A.

 

検証事項を見ると、今回の学校再編の検証は再編の中身については検証するようですが、そもそもこの再編計画を立てたこと自体の是非がどうであったかの検証はないように見受けられます。
Q4.今後、区が様々な計画を立てる際の参考にするためにも、再編計画を立てたこと自体の是非を検証すべきではないでしょうか。
A.

 

7. その他
最後に、その他で1点、障害者手帳の交付を受ける際の診断書を発行してもらうための費用補助について伺います。
障害者手帳の交付を受けるためにはいくつかの書類が必要であり、その中の一つに障害に関する医師の診断書があります。身体障害と知的障害は、有効期限というものはありませんが、精神障害者手帳は2年の期限があります。手帳のための診断書は1万円ほどの費用が掛かりますが、この負担が重い方もいらっしゃいます。
Q1.都内では練馬区や世田谷区、武蔵野市で診断書の取得費用補助を実施しており、中野区でも実施を検討してはいかがでしょうか。
A.

 

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